グランハート

ご覧いただき、ありがとうございます。日常の中で精神世界を探求しています。誰もが切り離せない心の世界です‼️

14 エネルギーとは ③

仙人のようなカエルさんだったので、私は『ガマ仙人』と呼んでいました。

ふと作れそうな気がしたんです。

100均で紙粘土を買ってきて、新聞紙を丸めて芯にして。図工以来の工作に夢中になりました。いろんな毛は新しいボディーブラシの毛を抜いて植毛したり、目玉は人形用の部品を埋めてみたり。作っている間はずっと耳元で雅楽の音がしていました。

できてみると、ガマ仙人!そうそうこんなだった~‼️とすごく嬉しくなりました。

ところが・・・乾くと片方の後ろ足がとれるのです。初めは私が下手くそなんだなぁと粘土を水で溶かして糊のようにしてつけ直しました。でもとれる。またとれる。何度つけ直しても同じ足がとれるのです。

なん回目だったでしょう。私はハッとしました。先輩の家のカエルの置物も3本足だった!ガマ仙人を見たのはその後だ!

でも4本作った足を1本捨てることがどうしてもできず、外れた1本も添えたまま丸ごと小さなお盆に載せて飾っていました。

不思議なことに一切ほこりがつかないのです。幼い紙粘土工作なのにカビが生えることもなく、独特の存在感を出していました。

たまにお見せすると「なんか喋りだしそう」と言われたりしました。

転勤で引っ越す時にお手伝いの方がガマさんの入った箱を「これは捨てますか?」と聞かれたので、なぜかとっさにうなずいてしまったら、ドサッと箱を袋のなかに落としました。私は「わーっ」と言って慌てて箱を拾い上げて中を見ると、何食わぬ顔でガマさんがいました。今の衝撃で壊れなかったとは! ホッとして次の家に連れていきました。

次の家では出せずじまいで、3年後にまた転勤で引っ越すことになりました。荷造りの時にガマさんの箱を見つけて久しぶりに中を見てびっくりしました。まるで子供の頃に作った工作が何十年もたったかのように色があせて古びていました。カビが生えたとかではなく、風化したかの様でした。生きているかのような姿はそこにはなくて、不器用な私が作った古びた粘土のカエルがあるだけでした。

 

きつねにつままれたようでした。でもこれが物にエネルギーが宿るということなのかなぁと思いました。エネルギーが抜けて、ただの乾いた紙粘土に戻ったのでしょう。

ガマ仙人が現れて7年、いろんなことを教わりました。少しほろ苦い思い出です。
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